退職代行を利用しても、源泉徴収票は原則として勤務先が退職者本人に交付します。多くの場合は、退職時に会社へ伝えていた住所へ郵送されますが、退職代行業者が受け取って転送するとは限りません。退職後1か月を過ぎても届かない場合は、まず勤務先の人事・総務へ直接、または退職代行業者を通じて発行・送付を依頼します。
退職代行を使った場合も源泉徴収票の発行者は勤務先
源泉徴収票は、1年間に会社から支払われた給与や、差し引かれた所得税などを記載した書類です。退職代行を利用したかどうかにかかわらず、発行するのは給与を支払った勤務先です。
退職した人に交付する「給与所得の源泉徴収票」は、原則として退職後1か月以内に交付することとされています。詳しい交付時期や対象については、国税庁「給与所得の源泉徴収票」で確認できます。
源泉徴収票はどのように受け取るのか
通常は、勤務先が登録している住所へ郵送されます。会社によっては、社内の電子システムからダウンロードする方法や、別の受け取り方法を採用している場合もあります。
退職代行を利用した場合の主な受け取り方は、次のとおりです。
- 勤務先から自宅へ郵送される
- 勤務先の電子システムなどから自分で取得する
- 退職代行業者が勤務先へ発行を依頼し、勤務先から本人へ送付される
- 退職代行業者が受け取って転送する
ただし、退職代行業者が源泉徴収票を受け取れるかどうかは、依頼したサービスの内容や勤務先の対応によって異なります。退職代行を申し込む際に、「源泉徴収票の発行依頼や受け取りの連絡まで対応するか」を確認しておくと安心です。
源泉徴収票が届かないときの確認手順
退職後1か月を過ぎても届かない場合は、次の順番で確認します。退職代行業者に連絡する場合でも、最終的な発行義務を負うのは勤務先です。
- 退職日がいつだったかを確認する
- 勤務先に登録されている住所や、郵便物の転送状況を確認する
- 勤務先の人事・総務へ、源泉徴収票の発行状況と送付先を問い合わせる
- 必要に応じて、退職代行業者から勤務先へ発行・送付を依頼してもらう
- それでも交付されない場合は、税務署へ相談する
問い合わせるときは、氏名、在籍していた期間、退職日、源泉徴収票が必要な理由、希望する送付先を伝えます。電話だけでなく、メールなど記録が残る方法で依頼すると、いつ何を求めたかを確認しやすくなります。
勤務先に送る依頼文の例
「○年○月○日に退職した○○です。退職後の給与所得の源泉徴収票がまだ届いていないため、発行状況をご確認のうえ、下記住所へ送付してください。」
住所を退職後に変更した場合は、旧住所と新住所の両方を伝えます。会社が旧住所へ発送済みであれば、再発行や再送付の手続きが必要になることがあります。
勤務先が源泉徴収票を発行しない場合
勤務先へ依頼しても源泉徴収票が交付されない場合は、税務署へ相談できます。国税庁には、勤務先から源泉徴収票の交付を受けられない場合に提出する「源泉徴収票不交付の届出書」の手続きがあります。
この届出をする前に、勤務先へ交付を求めた事実が分かるよう、依頼日や依頼方法、勤務先からの回答を記録しておきます。手続きの対象や添付書類は個別の状況によって異なるため、提出先の税務署または国税庁「源泉徴収票不交付の届出手続」で確認してください。
会社が倒産した、連絡先が分からない、給与の支払い自体に問題があるといった場合も、事情を整理して税務署へ相談します。「退職代行を使ったため会社へ連絡できない」という場合でも、退職代行業者を通じて依頼した記録があれば保管しておきましょう。
転職先へ提出する場合の注意点
退職した年と同じ年に再就職した場合、転職先で前職分を含めて年末調整を行うことがあります。その際、前職の源泉徴収票の提出を求められるのが一般的です。
源泉徴収票がまだ届いていない場合は、転職先に「前職の源泉徴収票を取り寄せ中」と伝え、提出期限や対応方法を確認します。提出できないままでは、転職先で前職分を含めた年末調整ができない場合があります。
年末調整に間に合わない場合の確定申告の要否や手続きは、給与の支払状況などによって変わります。源泉徴収票が届かないことだけを理由に、金額を推測して申告するのは避け、税務署へ確認してください。
退職代行を利用した人が確認するポイント
- 退職日から1か月が経過しているか
- 勤務先に登録されている住所が現在の住所と合っているか
- 紙で郵送されるのか、電子交付なのか
- 退職代行業者が源泉徴収票の発行依頼に対応する契約か
- 勤務先へ依頼した日時や回答を記録しているか
- 転職先の年末調整の提出期限に間に合うか
退職代行を利用したこと自体が、源泉徴収票を受け取れない理由になるわけではありません。退職後1か月を過ぎても届かなければ、勤務先の人事・総務へ発行状況と送付先を確認することが最初の対応です。勤務先から交付されない場合は、依頼の記録を残したうえで税務署へ相談してください。








