退職代行を利用する場合でも、退職届は通常どおり本人が作成できます。基本は、退職日、退職理由、宛先、氏名を記載し、退職代行業者が指定する方法で提出します。ただし、退職届が必要か、誰が会社へ提出するか、退職日をいつにするかは、依頼する業者や雇用契約によって異なります。
退職代行を使うときの退職届の書き方
退職届には、一般的に次の内容を記載します。
- 書類の題名「退職届」
- 退職日
- 退職理由「一身上の都合」
- 退職を届け出る日
- 会社の正式名称と代表者名
- 自分の所属、氏名
- 署名・押印
手書きでもパソコン作成でも提出できる場合がありますが、会社や退職代行業者から指定があるときは、その形式に従ってください。
退職届の文例
無期雇用の従業員が自己都合で退職する場合は、次のように書くのが一般的です。
退職届
私儀、
このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇 殿
〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇 印
縦書きの場合も基本的な内容は同じです。「私儀」は「わたくしぎ」と読み、自分のことを指します。省略しても意味は通じますが、一般的な書式では記載されることがあります。
退職届に書く退職日はどう決める?
退職日は、退職代行へ依頼する前に自分で決めておくのではなく、雇用形態と会社との調整状況を確認してから記載してください。退職日を一方的に決められるとは限らないためです。
無期雇用の場合
期間の定めがない雇用契約では、民法上、退職の申入れから2週間が経過すると退職できるとされています。ただし、月給制などでは申入れの時期によって扱いが異なる場合があり、就業規則に申出時期の定めがあることもあります。
会社が退職日に同意すれば、2週間より前の日に退職できる場合もあります。反対に、会社が合意していない日を退職日として記載する場合は、雇用契約や就業規則との関係を確認する必要があります。
有期雇用の場合
契約社員やパートなど、契約期間が決まっている場合は、無期雇用と同じように判断できません。原則として契約期間の途中で退職するには、やむを得ない事情などの条件が関係します。
退職代行に依頼する前に、雇用契約書で次の点を確認してください。
- 契約期間がいつからいつまでか
- 契約更新の有無
- 退職や契約途中の退職に関する定め
契約期間の途中で退職したい場合は、退職代行業者だけで判断せず、必要に応じて弁護士へ相談してください。
「退職届」と「退職願」はどちらを書く?
すでに退職する意思と退職日が決まっているなら、一般的には「退職届」を使います。一方、「退職願」は会社に退職を願い出る書類で、会社の承認を前提とする意味合いがあります。
| 書類 | 主な意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 退職届 | 退職することを届け出る | 退職日が決まっているとき |
| 退職願 | 退職を願い出る | 会社と退職日を相談するとき |
ただし、会社が「退職願」という名称の書類を指定している場合や、退職代行業者が別の書式を案内する場合があります。名称だけで判断せず、提出先の指示を確認してください。
退職代行で退職届を提出する方法
提出方法は、退職代行業者の案内と会社の指定によって決まります。主な方法は、本人が会社へ郵送する方法、退職代行業者の案内に従って郵送する方法、会社の書類提出フォームなどを使う方法です。
- 退職代行業者に、退職届が必要か確認する。
- 退職日、提出日、宛名、所属、氏名を確認する。
- 退職届を作成し、署名・押印などの指定を満たす。
- 指定された方法で会社へ提出する。
- 郵送した場合は、郵便の追跡番号や控えを保管する。
退職届を会社へ郵送する場合は、普通郵便ではなく、配達状況を確認できる方法を指定されることがあります。提出後に会社から受領連絡が来ない場合の対応も、依頼前に確認しておくと安心です。
退職代行業者に退職届を送ってもらえる?
退職代行業者が退職届を会社へ送付できるかは、業者のサービス内容によって異なります。本人が作成した退職届の送付を代行する業者もありますが、すべての業者が同じ対応をするとは限りません。
また、退職届の提出とは別に、会社との交渉が必要になる場合があります。たとえば、退職日の変更、未払い賃金の請求、損害賠償への対応などは、単なる意思の伝達を超える可能性があります。
会社との交渉が必要になりそうな場合は、弁護士が対応する退職代行か、弁護士へ相談できるサービスを選んでください。一般の退職代行業者が扱える範囲は、サービスの資格や契約内容によって異なります。
退職届を書く前に確認すること
退職届を作成する前に、次の項目を確認してください。
- 自分が無期雇用か有期雇用か
- 就業規則に退職の申出時期が定められているか
- 退職日は会社と合意済みか、法律上の期間を満たしているか
- 退職代行業者が指定する書式や提出方法があるか
- 会社へ返却する物や提出する書類があるか
- 有給休暇の取得や未払い賃金の請求を希望するか
退職届を先に作成しても、退職日や有給休暇の扱いが確定したことにはなりません。特に、退職日をめぐって会社と調整が必要な場合は、日付を記入する前に退職代行業者へ確認してください。
退職届を出した後に撤回できる?
退職届を提出した後に撤回できるかは、退職届の法的な扱いや会社の承諾状況によって変わります。提出すれば必ず自由に撤回できる、または絶対に撤回できないとは一律にいえません。
退職するか迷っている段階なら、退職届ではなく、まず退職代行業者や弁護士に状況を説明してください。退職日を確定させた後で変更したい場合も、会社へ直接連絡する前に依頼先へ相談しましょう。
退職代行を使うときの退職届の要点
退職届は、「退職届」という題名、退職日、「一身上の都合」、会社名、氏名などを記載して作成します。ただし、退職日と提出方法は、雇用形態と退職代行業者の案内を確認してから決めることが重要です。
まずは雇用契約書と就業規則を確認し、退職代行業者に「退職届は必要か」「退職日はいつにするか」「誰がどの方法で会社へ提出するか」を具体的に確認してください。








