入社直後でも、退職代行は使えます。試用期間中や研修中であっても、退職の意思を自分で伝えることが難しければ、退職代行業者や弁護士に連絡を代わりにしてもらえます。
ただし、入社直後だから無条件に当日退職できるわけではありません。雇用契約が「期間の定めなし」か「期間あり」か、また退職代行が会社とどこまで交渉できるかによって対応が変わります。
入社直後でも退職代行を使える理由
退職代行を利用すること自体に、勤続期間の条件はありません。入社初日や数日後でも、本人に代わって退職の意思を会社へ伝えることは可能です。
期間の定めがない雇用契約であれば、原則として退職の意思表示から2週間が経過すると退職できます。会社の承認がなければ退職できない、という仕組みではありません。
就業規則に「退職の1か月前までに申し出る」と書かれている場合でも、法律上の扱いと就業規則の定めが一致しないことがあります。無断欠勤を続けるのではなく、退職日や引き継ぎ方法を退職代行を通じて会社に伝えることが大切です。
入社直後の退職で確認する3つの条件
1. 雇用契約に期間の定めがあるか
労働条件通知書や雇用契約書で、契約期間を確認してください。
- 「期間の定めなし」:原則として、退職の意思表示から2週間で退職できます。
- 「2026年4月1日から2027年3月31日まで」などの記載がある:契約期間の途中で辞めるには、原則としてやむを得ない事情などが必要です。
有期契約でも、会社と合意して途中退職できる場合はあります。契約期間の途中で退職したい場合は、一般の退職代行ではなく、法的な交渉ができる弁護士への相談が適しています。
2. すぐに退職したいのか、2週間後でもよいのか
退職代行を使っても、期間の定めがない契約で本人の意思だけで当日退職できるとは限りません。入社直後にその日で辞めたい場合は、会社が即日退職に同意するか、退職日までを有給休暇や会社との合意で調整する必要があります。
入社直後は、法律上の年次有給休暇がまだ付与されていないことが一般的です。年次有給休暇は通常、入社から6か月以上継続して勤務し、出勤率などの条件を満たした場合に付与されます。そのため、入社直後に「有給休暇を使って出勤せず退職する」方法は、通常は利用できません。
3. 退職代行業者と弁護士のどちらを選ぶか
一般の退職代行業者は、本人に代わって退職の意思を伝えることはできますが、退職日や未払い賃金、損害賠償などについて会社と法律上の交渉をすることはできません。
次のような事情がある場合は、弁護士が対応する退職代行を検討してください。
- 会社が退職を認めない、または強く引き止めている
- 未払いの給与や残業代がある
- 退職日、賃金、損害賠償などを交渉したい
- ハラスメントや脅しを受けている
- 有期契約の途中で退職したい
単に退職の意思を伝えてもらいたいだけなら一般の退職代行が選択肢になりますが、会社との交渉が必要なら、対応範囲を事前に確認しましょう。
入社直後に退職代行を使うときの手順
- 労働条件通知書、雇用契約書、就業規則を確認し、契約期間と退職の申し出に関する定めを確認する。
- 退職希望日、会社からの連絡を本人にしてほしくないか、返却物や貸与品の扱いを整理する。
- 退職代行へ、入社日、雇用契約の期間、給与の未払い、会社から受けた連絡などを正確に伝える。
- 退職代行から会社へ退職の意思が伝えられた後、退職日や返却物、給与の支払い方法を確認する。
- 健康保険証、社員証、制服、パソコン、鍵などの貸与品を、指定された方法で返却する。
雇用契約書が手元にない場合でも退職代行への相談はできますが、入社日、勤務先、給与、会社から受け取った書類や連絡内容を整理しておくと、契約条件を判断しやすくなります。
入社直後の退職で起こりやすい注意点
入社直後であっても、働いた分の給与を受け取る権利はあります。給与の支払日や振込先を確認し、未払いがある場合は、退職代行業者が対応できる範囲を確認してください。
また、会社が「研修費」「採用費」「違約金」などの名目で一律に金銭を請求できるとは限りません。請求を受けても、その場で支払うと決めず、請求の根拠や契約書の内容を確認しましょう。
入社直後に辞めた理由を詳しく説明しなければならないとは限りません。ただし、病気、ハラスメント、契約内容との相違などがある場合は、退職代行へ事実を伝えてください。退職日や会社への伝え方を決めるうえで重要な情報になります。
入社直後の退職代行は「契約期間」と「退職日」で判断する
入社直後でも退職代行は利用できます。まず雇用契約書で期間の定めを確認し、期間の定めがない契約なら原則2週間後の退職、当日退職を希望するなら会社との合意が必要になる可能性があります。
有期契約の途中退職、未払い賃金の請求、会社との交渉が必要なケースでは、一般の退職代行ではなく弁護士への相談を優先してください。








