退職代行を利用すれば、依頼した当日に会社へ連絡してもらえる場合があります。ただし、当日連絡に対応できるかは業者の受付時間や契約内容によって異なり、連絡できても「当日付で退職できる」とは限りません。
退職代行は当日に会社へ連絡できる?
退職代行業者の中には、依頼を受けた当日に会社へ退職の意思を伝えるサービスがあります。早朝や休日の対応、即日対応を案内している業者もありますが、すべての業者が同じ条件とは限りません。
申し込む前に、次の点を確認してください。
- 申し込み当日の連絡に対応しているか
- 何時までの依頼が当日対応の対象か
- 会社への連絡方法が電話、メール、書面のどれか
- 追加料金なしで当日対応してもらえるか
- 会社から本人へ連絡が来た場合の対応が含まれるか
「即日対応」と書かれていても、必ず指定した時刻までに会社へ連絡するという意味とは限りません。申し込み時に「本日中に会社へ連絡してほしい」と明確に伝え、対応可能な時間を確認しましょう。
当日に連絡できても、退職日が当日になるとは限らない
会社へ連絡する日と、退職日や最終出社日は別です。退職代行が当日に会社へ連絡しても、退職の効力がその日から発生するとは限りません。
期間の定めがない雇用契約では、一般に、退職の申し入れから2週間が経過すると退職できるとされています。ただし、会社との合意、年次有給休暇の取得、就業規則の内容などによって、実際に出社しなくてよい日や退職日が変わることがあります。
たとえば、退職代行が4月1日に会社へ連絡した場合でも、法律上の退職日が必ず4月1日になるわけではありません。4月1日以降に残っている年次有給休暇を使い、退職日まで出社しない形になることもあります。
当日付で退職できるケースはある?
当日付で退職できるかは、会社が合意するか、契約期間や休暇の状況などによって決まります。退職代行が一方的に当日付の退職を確定できるわけではありません。
当日から出社しない形になりやすいのは、次のような場合です。
- 会社が当日付の退職に合意した場合
- 退職日までの期間に年次有給休暇を充てられる場合
- 雇用契約や就業規則に、別の退職手続きが定められている場合
一方、年次有給休暇が残っていない場合や、会社との合意が成立していない場合は、退職日までの扱いを別途確認する必要があります。無断欠勤として扱われる可能性や、給与・社会保険の処理に影響することもあるため、当日から出社しない前提で手続きを進める前に確認しましょう。
正社員と契約社員では当日連絡の扱いが違う
正社員などの期間の定めがない雇用契約と、契約社員などの期間が決まっている雇用契約では、退職の扱いが異なります。
| 雇用契約 | 当日連絡で確認する点 |
|---|---|
| 期間の定めがない契約 | 退職の申し入れ日、2週間の扱い、有給休暇の取得、会社との合意 |
| 期間の定めがある契約 | 契約期間、途中退職が認められる条件、やむを得ない事情の有無 |
契約社員やアルバイトでも、契約期間が定められている場合は、期間の途中で自由に退職できるとは限りません。契約書の「契約期間」「更新」「退職」に関する記載を確認し、当日退職を希望する事情を退職代行へ伝えてください。
退職代行の種類によって、会社と交渉できる範囲が違う
退職代行が当日に会社へ連絡できても、会社と退職日や有給休暇、未払い賃金などを交渉できるとは限りません。
- 弁護士が対応する退職代行:退職に関する交渉や、未払い賃金などの法律問題への対応を依頼できる場合があります。
- 労働組合が運営する退職代行:団体交渉として対応できる範囲がありますが、依頼内容や組合の運営形態を確認する必要があります。
- 一般企業が運営する退職代行:本人の退職意思を伝えることはできますが、退職条件の交渉などはできる範囲が限られます。
非弁護士の事業者が、報酬を受けて法律上の争いについて代理・交渉することには制限があります。「会社と退職日を交渉してほしい」「未払い残業代を請求したい」といった希望がある場合は、対応できる資格や交渉範囲を事前に確認してください。
当日に会社へ連絡してもらうための手順
当日対応を希望する場合は、申し込み前に対応条件を確認してから依頼します。
- 雇用形態、入社日、契約期間、退職希望日を整理する。
- 退職届の提出状況、年次有給休暇の残日数、会社からの貸与品を確認する。
- 退職代行へ「本日中に会社へ連絡可能か」「何時までの申し込みが対象か」を確認する。
- 会社へ伝えてほしい内容を、退職希望日や有給休暇の希望とともに伝える。
- 会社への連絡後、退職代行から連絡結果と今後の手続きを受け取る。
- 離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証など、必要な書類の受け取り方法を確認する。
会社への連絡が完了したかは、退職代行から報告を受けて確認します。会社から本人に直接連絡が来た場合は、すぐに返答せず、契約した退職代行へ内容を共有して対応を確認してください。
退職代行に当日連絡を依頼するときの注意点
当日対応を希望する場合、次の点を確認しないまま申し込むと、希望した日や方法で進まないことがあります。
- 当日対応の締切時刻
- 土日祝日や夜間の対応状況
- 追加料金や返金条件
- 会社への連絡後に対応してもらえる範囲
- 退職届や貸与品の返却方法
- 有給休暇や給与について交渉できるか
特に、「即日対応」と「即日退職」は同じ意味ではありません。希望するのが「今日、会社に連絡してほしい」のか、「今日を退職日にしたい」のかを分けて伝えることが重要です。
退職代行は当日に会社へ連絡してもらえる場合がありますが、当日対応の可否は業者の受付条件、当日付で退職できるかは契約や会社との合意によって決まります。まずは雇用契約と有給休暇の状況を整理し、当日連絡の締切時刻と、退職日について交渉できる範囲を確認してください。








