退職代行を利用した後に会社の人が自宅を訪問しても、その場で対面したり、家の中に入れたりする必要はありません。まずはドアを開けず、訪問者の身元と用件を確認し、退職代行業者へ連絡してください。
怒鳴る、帰らない、脅す、無理に入ろうとするなどの行為がある場合は、証拠を残しつつ、危険を感じた時点で110番通報します。
退職代行後に自宅訪問されたときの対応手順
突然の訪問には、次の順番で対応します。大切なのは、訪問者とその場で退職条件を話し合わないことです。
- ドアを開けず、インターホン越しに確認する
「どちら様ですか」「ご用件は何ですか」と確認します。本人確認や用件を求めても答えない場合は、ドアを開けないでください。 - 会社関係者だと分かっても、対面で話さない
「退職代行業者を通してください。本人への直接の連絡は控えてください」と伝え、必要以上の会話を続けません。 - 訪問の記録を残す
訪問日時、人数、氏名や会社名、発言、滞在時間を記録します。インターホンの録画、メール、メッセージ、通話履歴なども保存してください。 - 退職代行業者へすぐに連絡する
訪問者の情報と発言を伝え、会社へ連絡してもらいます。退職代行業者からの回答や会社とのやり取りも保存しておきます。 - 危険がある場合は警察へ連絡する
帰らない、ドアをたたき続ける、怒鳴る、脅す、侵入しようとするなどの場合は、緊急時は110番へ連絡します。緊急性が低い相談は、警察相談窓口などへの相談を検討してください。
自宅訪問されてもドアを開けなくてよい理由
会社の人が自宅を訪れたからといって、本人が必ず応対しなければならないわけではありません。退職に関する連絡窓口を退職代行業者にしている場合は、会社からの連絡や話し合いをその場で受ける必要はありません。
また、訪問者に自宅へ入る権利が当然にあるわけでもありません。賃貸住宅であっても、会社関係者が無断で室内に入れるわけではないため、ドアを開けて招き入れないことが安全な対応です。
ただし、会社から貸与された物品の返却や、私物の受け取りなど、退職後に整理が必要な事項が残っていることはあります。その場合も、訪問者とその場で対応せず、退職代行業者を通じて返却方法を決めます。
訪問者に伝える内容は短くする
インターホン越しに対応する場合は、次のように短く伝えます。
- 「退職に関する連絡は、依頼した退職代行業者を通してください」
- 「本日は対応しません」
- 「必要な連絡は書面または退職代行業者を通してください」
退職理由、引き継ぎ、損害賠償、退職日などについて、その場で説明したり約束したりする必要はありません。訪問者が強い口調でも、言い返したり、ドアを開けて話し合ったりせず、会話を終えてください。
自宅訪問があったことを退職代行業者に伝える
自宅訪問後は、退職代行業者に次の情報をまとめて伝えます。
- 訪問された日時
- 訪問者の人数、氏名、会社名
- 訪問者が名乗った内容
- 訪問の目的や要求
- 実際の発言や脅しに当たる言葉
- 帰宅を求めた後も滞在したか
- 録画、録音、写真、メッセージなどの証拠
退職代行業者が会社へ連絡できる契約内容であれば、自宅訪問をやめるよう伝えてもらいます。ただし、退職代行業者の種類によって、会社と交渉できる範囲は異なります。
退職代行業者の種類によって対応範囲が異なる
一般の退職代行業者は、本人に代わって退職の意思を伝えることはできても、会社と退職条件や金銭について交渉できるとは限りません。労働組合が運営するサービスや弁護士が対応するサービスでは、扱える範囲が異なる場合があります。
未払い賃金、退職金、損害賠償請求、会社との交渉などが問題になっている場合は、契約している退職代行業者に対応可能な範囲を確認してください。交渉や法的手続きが必要な場合は、弁護士など法律の専門家への相談が必要になることがあります。
危険を感じる自宅訪問は警察に相談する
次のような場合は、単なる連絡ではなく、安全に関わる問題として扱います。
- 帰るよう求めても敷地や建物の前から立ち去らない
- ドアや窓をたたき続ける
- 大声で怒鳴る、脅す、危害を加えると告げる
- ドアを開けようとする、敷地内へ無断で入る
- 複数人で取り囲む、待ち伏せする
- 繰り返し訪問し、生活に不安を感じる
今まさに危険がある、侵入されそう、暴力を受けるおそれがあるという場合は、退職代行業者への連絡よりも先に110番通報してください。安全な場所へ移動できる場合は、近隣の店舗や管理会社など、人のいる場所へ避難することも考えます。
緊急性がない場合でも、訪問が繰り返されるときは、日時や発言を記録して警察に相談します。記録があると、状況を説明しやすくなります。
会社の訪問がすべて違法とは限らない
自宅訪問があったという事実だけで、直ちに違法と断定することはできません。会社が貸与品の返却や緊急の連絡を求めて訪問した可能性もあるため、訪問の目的、方法、回数、発言、帰宅を求めた後の行動などを分けて記録します。
一方で、正当な用件があるとしても、脅迫、暴力、無理な侵入、執拗な居座りが許されるわけではありません。判断に迷うときは、録画や記録をもとに退職代行業者、警察、弁護士などへ相談します。
返却物や会社からの書類がある場合の対応
会社のパソコン、社員証、鍵、制服などを返却していない場合は、返却方法を退職代行業者と決めます。宅配便、書留など、送付記録が残る方法を使うと、返却した事実を確認しやすくなります。
会社に残した私物や、会社から受け取る書類がある場合も、訪問者から直接受け取る必要はありません。郵送や代理人を通じた受け渡しなど、対面しない方法を依頼してください。
返却すべき物や提出書類が分からない場合は、自己判断で処分せず、退職代行業者に一覧を確認します。会社から届いた書面は、内容を確認するまで捨てずに保管してください。
自宅訪問後にしてはいけないこと
- 安全確認をせずにドアを開ける
- 訪問者を自宅に入れる
- その場で退職条件や金銭の約束をする
- 感情的に言い返し、口論を続ける
- 録画やメッセージを削除する
- 退職代行業者に知らせず、会社と個別に交渉する
すでにドアを開けてしまった場合や、話し合いをしてしまった場合でも、訪問日時と会話内容を記録し、退職代行業者へ伝えてください。危険な行為があった場合は、証拠を整理して警察や弁護士へ相談します。
退職代行後の自宅訪問への対応まとめ
退職代行を利用した後に自宅訪問されたら、ドアを開けず、用件だけ確認し、退職代行業者を窓口にするのが基本です。訪問日時や発言を記録し、返却物や書類の受け渡しも対面以外の方法で進めます。
帰らない、脅す、侵入しようとするなどの危険がある場合は、ためらわず警察へ連絡してください。退職代行業者で対応できない交渉や法的問題がある場合は、弁護士などへの相談も検討します。








