退職代行を依頼した後の転職活動はどう進める?

退職代行を依頼した後の転職活動はどう進める?

退職代行を依頼した後も、転職活動は進められます。まずは退職手続きが完了したか、退職日や貸与品・給与・離職票などの確認を行い、そのうえで応募書類の作成、求人探し、面接へ進みます。

転職先に退職代行を利用したことを自分から伝える必要があるとは限りません。ただし、退職理由や在籍期間を聞かれたときは、事実と異なる説明をせず、前向きに伝えることが大切です。

退職代行の依頼後に最初に確認すること

転職活動を始める前に、現在の勤務先との退職手続きがどこまで進んでいるかを確認してください。退職日が確定していない状態で「退職済み」と説明すると、応募先との認識がずれるおそれがあります。

  • 退職日が確定しているか
  • 勤務先から退職を認めた旨の連絡があるか
  • 有給休暇の扱いが決まっているか
  • 健康保険や厚生年金の資格喪失手続きが進んでいるか
  • 離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証などの書類を受け取れるか
  • 社員証、パソコン、制服、鍵などの返却が済んでいるか
  • 給与や退職金など、未払いのものが残っていないか

退職代行業者から報告を受けただけでなく、退職日や書類の送付予定を自分でも記録しておくと、転職先への入社日を決めやすくなります。

退職代行を利用したことは転職先に伝えるべきか

応募書類や面接で、退職代行の利用を自分から説明しなければならないとは限りません。履歴書や職務経歴書では、通常、在籍した会社名、在籍期間、担当業務、退職年月などを正確に記載します。

一方で、面接で「前職にはどのように退職を伝えましたか」「退職手続きは完了していますか」などと聞かれた場合は、質問の内容に合わせて事実を説明します。退職代行の利用を隠すために、退職日や退職理由を偽るのは避けてください。

面接で聞かれた場合の答え方

退職代行を利用した経緯を細かく話し続けるのではなく、事実を簡潔に伝えたうえで、転職理由や今後の働き方へ話を移すと説明しやすくなります。

たとえば、次のように伝えられます。

前職では本人からの退職手続きが難しい状況だったため、第三者を通じて退職の意思を伝えました。退職日は確定しており、現在はこれまでの経験を生かせる仕事への転職を進めています。

この例は説明の形を示したもので、実際の事情に合わせて調整してください。パワハラ、長時間労働、心身の不調などが関係していた場合も、応募先に話せる範囲で簡潔に説明し、前職の批判だけにならないようにします。

転職活動の進め方

退職手続きの確認ができたら、次の順番で転職活動を進めます。

  1. 退職日と入社可能日を整理する。有給休暇の消化期間や、必要な手続きにかかる時間を確認し、入社できる日を決めます。
  2. これまでの仕事を棚卸しする。担当業務、扱った製品やサービス、身につけたスキル、成果、苦手だった環境を書き出します。
  3. 転職先に求める条件を決める。仕事内容、勤務地、勤務時間、給与、休日、職場環境などを「譲れない条件」と「できれば希望する条件」に分けます。
  4. 履歴書と職務経歴書を作成する。退職代行の利用ではなく、これまでの経験や応募先で生かせる能力を中心にまとめます。
  5. 求人に応募する。求人票だけで判断せず、仕事内容、試用期間、固定残業代、休日、転勤の有無などを確認します。
  6. 面接で退職理由を説明する準備をする。退職の経緯、転職理由、再発防止のために重視する条件、入社後にしたいことを整理します。
  7. 内定後に条件を確認してから入社を決める。労働条件通知書などで、給与、勤務時間、勤務地、契約期間、休日を確認します。

履歴書や職務経歴書での書き方

応募書類には、退職代行を使ったことを通常は記載しません。退職年月は実際の退職日と一致させ、在職中であれば「在職中」、退職日が決まっている場合は事実に合う形で記載します。

職務経歴書では、次の内容を具体的に書くと、退職の経緯ではなく仕事の経験を伝えやすくなります。

  • 担当していた業務
  • 使用していたソフトや機器
  • 関わった顧客や社内外の関係者
  • 業務上の工夫や改善したこと
  • 数値で示せる成果
  • 応募先で生かせる知識やスキル

退職理由を書く欄がある場合は、「一身上の都合により退職」といった事実に合う表現を基本にし、応募先から別途質問されたときに具体的な事情を説明します。

面接で退職理由を聞かれたときの伝え方

面接では、退職代行を利用した事実だけでなく、なぜ転職を考えたのか、次の職場で何を実現したいのかが確認されることがあります。退職した会社への不満を並べるより、経験と今後の希望を軸に話すと内容が伝わりやすくなります。

説明は、次の順番にすると整理しやすくなります。

  1. 前職で担当していた仕事を簡潔に説明する
  2. 退職を決めた理由を、事実に沿って説明する
  3. 退職代行を利用した事情を必要な範囲で説明する
  4. 転職先で重視する条件を伝える
  5. 応募先で生かせる経験と、入社後に取り組みたいことを話す

たとえば、仕事内容や勤務条件とのミスマッチが退職理由なら、「前職では販売業務を担当していましたが、今後はこれまでの顧客対応経験を生かしながら、より長期的に専門性を身につけられる仕事を希望しています」のように、過去の経験と応募先での希望をつなげます。

パワハラや未払い賃金などが関係している場合は、無理に詳しい個人情報や感情的な経緯まで話す必要はありません。ただし、現在も会社との紛争が続いている場合や、応募先が入社時期に影響する事情を確認している場合は、事実を隠さず必要な範囲で伝えてください。

退職代行の利用が転職に影響する可能性がある場面

退職代行を利用したことだけで転職の可否が決まるとはいえません。ただし、次のような情報が確認できないと、採用担当者が不安を持つ可能性があります。

  • 前職の退職日が確定していない
  • 在職期間や担当業務の説明が履歴書と面接で違う
  • 入社可能日を確定できない
  • 前職とのトラブルが現在も続いている
  • 退職理由を一貫して説明できない

これらは退職代行の利用そのものというより、転職先が採用判断に必要とする情報を整理できていないことが問題になります。退職日、在籍期間、担当業務、入社可能日を正確に説明できるようにしておきましょう。

前職への在籍確認や問い合わせが心配な場合

応募先が前職へ連絡するかどうか、どの情報を確認するかは、企業や採用手続きによって異なります。退職代行を使ったからといって、前職への連絡内容を一律に判断することはできません。

応募先から前職への連絡について説明があった場合は、何の目的で、誰に、どの情報を確認するのかを確認してください。応募書類の在籍期間や退職日については、離職票、源泉徴収票、退職証明書などの書類と一致するように管理します。

前職との間で賃金、損害賠償、ハラスメントなどの問題が続いている場合、退職代行業者だけでは対応できる範囲が限られることがあります。交渉や法的な判断が必要なときは、契約している退職代行業者の対応範囲を確認し、必要に応じて労働問題を扱う専門家へ相談してください。

転職活動を始める時期は退職前でもよいか

退職前から転職活動を始めることは可能です。ただし、応募先には現在の在籍状況と、入社できる時期を正確に伝える必要があります。

退職後に転職活動を始める場合は、収入が途切れる期間や健康保険、年金、雇用保険の手続きを確認してください。失業給付などの制度を利用できるかは、退職理由や雇用保険の加入状況、手続きの時期などによって変わります。制度の利用を考えている場合は、住所地を管轄するハローワークなどで、自分の条件に当てはまるか確認してください。

退職直後に無理をして転職しないための判断

退職の原因が心身の疲れや強いストレスだった場合、すぐに応募を続けることが最善とは限りません。睡眠や食事が取れない、仕事探しの判断ができない状態が続く場合は、転職活動のペースを落とし、医療機関などへの相談も検討してください。

転職先を急いで決めると、前職と似た条件を十分に確認できないまま入社することがあります。仕事内容、勤務時間、残業、休日、試用期間、給与の内訳を確認し、前職で問題だった条件を「避けたい条件」として整理してから応募すると判断しやすくなります。

退職代行の依頼後に転職活動を進めるポイント

最初に行うことは、退職日と退職手続きの進み具合を確認することです。その後、応募書類には事実を正確に記載し、退職代行の利用について聞かれた場合は簡潔かつ正直に説明します。

転職先が知りたいのは、退職代行を使ったかどうかだけではなく、入社できる時期、これまでの経験、退職理由、入社後に働き続ける見通しです。前職の経緯を整理し、次の職場で重視する条件と生かせる経験を明確にしてから応募を始めましょう。